飛ぶボールに変更しプロ野球選手の給料は大きく変わる

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先日、明るみに出たプロ野球の統一球の規格変更問題が、プロ野球選手の給料にどのような問題をもたらすのか考えてみました。

プロ野球統一球規格変更

一昨日からニュースやワイドショーをにぎわしています、プロ野球の統一球の規格変更問題。ホームランが出やすくなったことは私たちファンからすると一見歓迎すべきことと思われますが、成績によって給料が左右される選手にとってはこれは大きな死活問題となります。

そのあたりをじっくり考えてみましょう。


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統一球導入への経緯

そもそもプロ野球における統一球が何かということを知らない方もいらっしゃると思いますので、統一球について簡単に説明しておきます。

プロ野球では毎年契約しているメーカー(今年であればミズノ)にボールを作ってもらうのですが、そのボールの中央付近にはコルクが入っています。

このコルクの硬さを変えることによって、バッターが打った打球が伸びたり、あまり飛ばなかったり、大きく変わってくるのです。

統一球が導入された経緯は、ワールド・ベースボール・クラシックという野球世界一を決める大会やオリンピックで滑りやすく、飛ばないとされているメジャーリーグのボールを使用するため、それに普段から慣れておく意味で日本のプロ野球でもそれに近いものを使おうと考えたのが始まりです。

細かい話になりますが、メジャーリーグのボールは縫い目が高く、滑りやすい点で、日本のプロ野球のボールとは違うと言われています。

メジャーリーグのボールの特徴

お隣の韓国ではいち早く導入されていて、韓国では近いものではなく、メジャーリーグで使用しているボールと同じ仕様のものが使われています。

日本で仕様されていたボールは以前はよく飛びました。例えば狭いといわれる東京ドームには「ドームラン」と言われている当たり損ないのホームランがあります。

これは会心の当たりではなくても、狭い球場なのでフェンスを簡単にオーバーすることを揶揄したものですが、飛ばないと言われている低反発球が導入されていた昨年や一昨年は、このドームランが極端に減りました。

会心の当たりでないと、スタンドまで届かなかったのです。

でも今年はこのドームランがまた増えていて、選手やファンの中に、

「今年から飛ぶボールに変わったのでは?」

という疑惑が浮上していました。

それを裏付けるように今年のプロ野球の球団別ホームラン数は、全球団明らかに増えています。

2013年プロ野球ホームラン数

全体では266本から446本に約1.6倍になっています。疑惑というか、こちらを見れば事実ですよね。

そしてついにその疑惑が今回明るみにでて、日本プロ野球機構(NPB)が使用球の仕様を変更していたことを認めました。

選手の年俸にどう影響するの?

今回の問題に関し、プロ野球選手会の会長である東北楽天ゴールデンイーグルスの嶋選手がこのようなコメントを出しています。

「ボールが飛ばなかったシーズンを基準に出来高契約を結んでいる選手(投手)もいる。労働条件が変わってしまっている」

私たちファンからすると、こっそり仕様が変更されていたことには憤りを感じますが、ホームランが飛び交う試合が観られるなら歓迎すべきことかもしれません。

でも選手会の会長は給料に関わってくると歓迎していません。それは一体なぜなのでしょうか?

ボール規格変更と選手の給料
なぜ飛ぶボールに変わると、給料面で困る選手がでてくるのだろうか?

これについて考えていきましょう。

プロ野球の給料における出来高制とは

現在プロ野球の選手の多くは年俸に出来高制というのを加えた契約を結んでいる人が多いです。

出来高制とは、

投   手

  • 勝利
  • 防御率
  • 投球回数
  • 勝率
  • 奪三振
  • ホールドポイント
  • セーブポイント  etc.
 
打 者

  • 打率
  • 打点
  • ホームラン
  • 三振
  • 四死球
  • 勝利打点(現在公式には廃止)
  • 得点圏打率
  • 犠打
  • 盗塁数
  • 得点    etc.

ものすごく簡単に言うと活躍した分の成績(数字)により、お金をもらうということです。投手なら15勝をあげれば2000万円、打者なら打率3割以上で1000万円などです。

これは年俸とは別に支払われます。

外国人選手ならホームランや打点に重きが置かれるため、三振覚悟でブンブン振っていく選手も多いです。

変わったところでは、千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介選手が安打数よる出来高の契約を結んだこともありました。パ・リーグの選手なので打席に立つ交流戦限定になりますが、おもしろい試みです。

この出来高なのですが、実は球団や選手が公表しているものではありません。というよりも、新聞やニュースで報じられる選手の年俸自体も推定のものであって、選手が「5億円です」と言わない限りは、記者とのやりとりで推察されている額を記事にしているにすぎません。

話が少しそれましたので戻しましょう。

出来高は前年のシーズンの成績を元に、目標となる数字を設定します。目標となる数字は「個人の数字」はもちろんですが、「プロ野球全体の数字」も参考にされます。

どういうことかといいますと、プロ野球界に毎年20勝する投手が何人もいるとすれば、「15勝」という目標はあまり価値がありません。一方、毎年10勝する投手が数人というプロ野球界なら「15勝」することにはものすごく価値があります。

一昨年、昨年導入されていた統一球は投手有利と言われ、稀にしかでることがなかった防御率1点台の選手がたくさん現れました。逆に打者ではホームランは軒並み減少し、ホームランバッターは苦戦を強いられました。

ですから今年の成績にかけられている出来高は、投手は厳し目に設定されていて、打者は甘めにおそらく設定されているでしょう。

そうなると投手はボールが変わって良い成績がおさめにくくなるのに厳し目の目標が設定されている、打者は甘めの目標なのにボールが変わって成績をおさめやすくなった、どちらが有利かは考えるまでもなく、投手に厳しく、打者には有利な条件です。

さきほどご紹介した嶋選手会長の発言には、このような背景があるのです。

まとめ

今回統一球の規格変更と選手の給料について考えてきました。結論としては、

  出来高に関しては打者有利、投手不利

あちこちの新聞に書いてある結論そのままなのですが、やっぱり打者に有利な変更だと思います。

ただ東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手や広島東洋カープの前田健太投手のように、昨年よりも良い成績をおさめている選手もいますし、逆にバッターが昨年よりも打ってない場合も見受けられます。

日本プロ野球機構の加藤コミッショナーは今回の問題について

  • 混乱を避けるためにあえて公表しなかった
  • 隠蔽の意図はなかった
  • 自分は知らなかった
  • 日本プロ野球機構の統治機構(ガバナンス)の問題である
  • コミッショナーの職務を辞するつもりはない

と記者会見で話していましたが、これについては批判の意見が多いです。

大リーグ・テキサス・レンジャーズのダルビッシュ投手はTwitterで

知らない事はないでしょう。てか知らない方が問題でしょ。

とコメントしており、知らないことは有り得ないし、もし知らなければそれの方がもっと問題であると語っています。

いずれにせよ、これで終りではりません。6月14日に全球団の関係者を集めて、NPB側が謝罪するそうですが、そこでどのような経緯が語られるのか、注目しておきましょう。

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