ラグビー日本代表が世界と戦うために足りないのは体格ではない

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昨日のウェールズ戦の歴史的勝利に沸くラグビー界ですが、今後世界と戦うために必要なものを考えてみました。

ラグビー代表に足りないもの

まずは昨日のウェールズについて振り返ってみましょう。

前半からウェールズ代表の足元に低く鋭いタックルが突き刺さり、ニュートラルなボールにも果敢にチャレンジし続けました。もちろんFB五郎丸のキックの精度がここ何年かで一番良かったこともあり、点差を広げて歴史的勝利に結びつけました。


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ウェールズ戦勝利から見えてきたもの

ウェールズ代表との過去の対戦成績は12戦全敗。この数字が物語るように、本気代表戦なら実力差があることは否めないでしょう。今年のシックスネーションズカップでも優勝していますし、現在世界ランク5位。普通なら厳しいです。ただし今回のウェールズ代表は若手主体であり、そのあたりに付け入る隙はあったのかもしれません。

もうひとつ書いておきたいことがあります。それは先週の花園ラグビー場での試合に続き、秩父宮ラグビー場に多くのファンが詰めかけて、最高の環境で選手たちに声援を送っていました。

あれだけのファンに囲まれてラグビーすることはなかったのはないでしょうか。まだまだラグビーもすてたものではないですね。

今回のウェールズ戦の勝利で、レイバーン・シールドを日本代表が獲得しました。レイバーン・シールドとはボクシングでいうチャンピオンベルトみたいなものです。1871年に世界初のテストマッチとしてイングランドvsスコットランドの試合が行われたときに創設されました。

レイバーン・シールドを獲得するためには、シールドを持っている世界トップチームと試合をして勝利することが必要です。世界トップチームと対戦する機会もほとんどないですし、ましてそのチームから勝利することなんて・・・。第179代目のシールド保持者になりましたが、私が生きている間にもう一度獲得することはあるのでしょうか^^;

ところで昨日の勝利の中に見出したこれからのラグビー日本代表に本当に必要なものを考えてみました。


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体格が全てではない

「サイズが違うから」

どのスポーツでもよく語られることですが、特にコンタクトスポーツであるラグビーの場合、体格の違いは死活問題です。

ただしサイズを大きくすることに偏った強化論には待ったをかける必要ありそうです。

そのことを最初に感じたのは、2011年のラグビーワールドカップ予選プール・ニュージーランド戦で、ニュージーランドのハカを聞くために整列している日本代表が映ったときでした。

「日本代表もけっこう大きくなったなぁ」

なんとなくですけど、そう思ったのです。

そこで気になったこの試合の日本代表のスタメンの平均身長と体重を調べてみました。

2011年 第7回ワールドカップ ニュージーランド戦

スタメンの平均身長 183.5cm  体重  97.3kg

ちなみにニュージーランド代表のスタメンの平均身長と体重は187.9cm、104.9kgで、体格では劣っていることが分かります。

もうひとつ興味深い数字をご紹介します。1987年第1回ワールドカップメンバーと、2003年第5回ワールドカップメンバーの平均身長と体重です。

1987年 第1回ワールドカップメンバー

登録メンバーの平均身長 179.3cm  体重  86.5kg

2003年 第5回ワールドカップメンバー

登録メンバーの平均身長 182.1cm  体重  92.7kg

驚くべきことに約15年前の第1回から比べると、身長で4.2cm、体重で10.8kgもサイズアップしています。15年間でこの数字は驚異的だといっていいでしょう。

ただし平均身長や平均体重が増えてからといって、世界と戦えるほど甘くありません。

第1回ワールドカップでは3連敗で予選プール敗退となりましたし、第7回のワールドカップでもカナダ代表とは引き分けましたが、フランス、ニュージーランド、トンがには大敗しており、世界との距離が縮まったとはお世辞にも言えない内容でした。

世界との距離が縮まらない要因は、日本代表がサイズアップするように、他国の代表もサイズアップしているのがひとつです。人種的に欧米諸国より大きくならない日本人が、ニュージーランド代表より大きくなることは考えにくいです。

そして今回のタイトルにあるように、体格以外の要素も大きいのです。

大きくて、強くて、速い

世界と戦うために必要な要素は3つあって、

大きくて、強くて、速い

ことだと私は考えています。

まずは大きさ。

大きさについてはさきほど書いたことに矛盾しそうなので補足しておくと、小さいぐらいなら大きい方がいいです。それは間違いありません。ただ大きさだけを重視することには危うさを感じます。

そして強さ。

たとえば他競技になりますが、サッカー日本代表の本田圭佑選手。彼は囲まれているときでも、ドリブルしていて身体を寄せられても、体幹(胴体の部分)がブレません。

当たられることへの強さは、軸の強さとも言い換えることができ、ラグビーやサッカーの選手には必須の条件と言われています。これは大きさに比例するということではありません。同じくサッカー日本代表の長友佑都選手の身長は170cmしかありませんが、屈強な外国人選手にも当たり負けしない強さがあります。

最後に速さ。これも重要な要素です。

ここでまたまたちょっとした疑問が。

日本人の速さ
ちょこまか動ける日本人は速いと評されることがあるから、速さはあるんじゃないの?

そうなんです。日本人ってどのスポーツでも俊敏性への評価は高いのです。野球でいえばワールド・ベースボール・クラシックでもよく盗塁しますし、サッカーでも日本代表の香川真司選手のスピードは評価されています。

でも違うんです。私のいう速さはそれだけじゃないのです。

 速さとは動きと判断力、両方の速さ

アメリカのプロバスケットボールリーグ(NBA)で2000年代に活躍したアレン・アイバーソンという選手がいます。バスケットボールが好きな方ならご存知だと思います。

身長2mオーバーが当たり前のNBAですが、彼の身長は183cmしかありません。183cmといえば一般人よりちょっと高いぐらいです。

そのアイバーソンはMVPや得点王など、数々のタイトルを獲得しています。彼のプレー集がyoutubeにありましたのでご紹介します。

シュートにいくまでのイメージやとっさの判断力。ただ脚が速いとか、動きが速いとか、そんな言葉だけで言い表せないのを理解してもらえると思います。

他にもいま最も偉大なサッカー選手であるFCバルセロナのメッシ選手。彼のスピードはすごいですが、ヨーイドンで100mを一緒に走ったら彼より速い日本人はけっこういるはずです。

でもメッシのように速いプレーができないのは、脚の速さだけではないというのを示しているでしょう。

まとめ

ラグビー日本代表に足りないものは体格以外にあるとお伝えしてきました。

かつて高校ラグビー選手権を4連覇して常勝時代を築き上げた啓光学園(現・常翔啓光学園)も、体格が恵まれているとは言いがたいチームでした。

啓光学園が強かった秘密は足元に突き刺さるような鋭いタックルと、そしてゴール前5mでの粘りだと私は考えています。

昨日のウェールズとの試合もまさに同じことが言えると思います。

日本代表が強豪国に勝つとすれば、昨日のようにロースコアのゲームに持ち込んで、粘り強く、諦めず、泥臭く粘って、相手のミスを待ちながらカウンターで攻め上がる展開しかありません。

すぐに追いつくことは不可能かもしれませんが、昨日のような試合ができれば、世界でも互角に戦えるのではないか、そう感じさせるゲームでした。

今後の日本代表の道筋を示した、そう言っても過言ではないでしょう。

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