第50回ラグビー大学選手権決勝 早稲田対帝京戦のレビュー

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昨日国立競技場で行われたラグビー大学選手権決勝、早稲田大学対帝京大学の決勝戦をみた感想をお伝えしていきます。

第50回ラグビー大学選手権決勝レビュー

ラグビーの大学日本一を決める、大学選手権の決勝が昨日行われて帝京大学が41対34で早稲田大学を下し、連続日本一を5年連続に伸ばしました。

大会前から帝京大学の優勝は予想していましたので、予想が当たったことはほっとしています。

ただ思っていたより点数差がつかなかったことは少しびっくりしましたが、決勝のどこにポイントがあったのか、いくつかご紹介します。


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帝京大学の強さ

スクラムとフィジカルについて考えてみました。

スクラムで優位に立った帝京大学

大学選手権に入ってからの早稲田大学のスクラムの完成度はかなり上がってきました。
キャプテンの垣永を中心にまとまりのあるスクラムは、帝京大学の重量FWにも対抗できるかもしれないと戦前は予想されていました。

FWの平均体重と合計体重はこちら。

帝京大学 早稲田大学
101.5kgFW8人の平均体重98.3kg
812kgFW8人の合計体重786kg

わずかに帝京大学が上回っていますが、圧倒的に不利な体重差ではありません。

楽しみにしていた早稲田大学ボールのファーストスクラムは、帝京大学の強烈なプッシュで帝京大学にボールを奪われました。

続く2回目のスクラム(早稲田大学ボール)もボールを出せずに奪われ、3回目のスクラム(早稲田大学ボール)はトラプシングでペナルティをとられました。

早稲田大学の最初の誤算はここにあったと思われます。「思うようにいかない」と選手たちは感じたでしょう。

止められない突進

帝京大学の選手の突進をなかなか止められなかったこと、これも早稲田大学の誤算です。

たしかに早稲田大学は低く、鋭く、脚にからみつくようなタックルでしたが、それでも引きずって2歩、3歩とゲインラインを突破し続けた帝京大学のフィジカルの強さは圧巻でした。

今季は打倒トップリーグ4強を目指してチーム作りをしてきたのですが、それが頷けるような体格でした。

みんなが汗をかく

帝京大学の選手はそれぞれ自分の仕事をきっちりこなしました。早稲田大学がしていないというわけではないのですが、その精度が一枚上手だったような気がします。

ハイパントに体をはって飛び込み続けたCTB牧田、前に前に進み続けたPR森川など、とにかくみんな汗を書き続けました。

これはもはや伝統と言うべき、大学の土壌になりつつあると思います。

早稲田大学の勝機

早稲田大学に勝機がなかったかといわれれば、そうでもありません。

ラッキーパンチ

前半帝京大学のキックオフリターンから、FL布巻の突進、そしてWTB荻野の左中間へのトライ。

まだふわふわした状態でのキックオフ直後、珍しく帝京大学のスキがそこにありました。。早稲田大学のこの日一番のカウンターが見事に決まり7点を先制しました。

本来ならここに乗じて一気に畳み掛けられればよかったのですが、帝京大学が前半12分、23分にトライを返してひっくり返されました。

ハンドリングエラー

これがこの試合の主な成績です。

帝京大学 早稲田大学
6トライ5
4ゴール3
1ペナルティゴール1
12回中10回ラインアウト12回中10回
5ターンオーバー3
7ハンドリングエラー3

王者帝京大学には珍しくハンドリングエラーがかなり多かったです。

帝京大学にも緊張はあったと思うんです。勝つ可能性が高いとみんなが観ている試合でしたから。

それでもそのあたりを有利にもっていけなかった早稲田大学はちょっと残念でしたね。

来期以降の展望は?

さて今年で前人未到の5年連続の日本一を成し遂げた帝京大学ですが、来年以降もその強さは続きそうです。

若いスタメン

この日の帝京大学のスターティングメンバーは4年生4人、3年生6人、2年生4人、1年生1人で、ほとんどが3年生以下の構成です。

対する早稲田大学は4年生7人、3年生5人、2年生3人とスターティングメンバーに4年生が多い構成でした。

特にFW8人に限ると、帝京大学の4年生はナンバー8李だけですが、早稲田大学のFWには4年生6人いました。それで早稲田大学のFWを止めたのですから、来年にはもっと強くなることが予想されます。

選手が育つ土壌

さきほどもこの言葉を使いましたが、帝京大学には選手が育つ土壌があります。

この日の帝京大学のスターティングメンバーを見ると、全国高校ラグビー大会の優勝常連校の出身は、SO松田(伏見工)ぐらいでしょうか。対する早稲田大学は、東福岡、伏見工、常翔学園、桐蔭学園など、花園に出場校でも上位に入る有名校の出身者が多いです。

キャプテンの中村選手はラグビーではあまり強くない鹿児島実出身で、全国高校ラグビー大会では1勝もあげていません。他の選手もそうです。

全国的には無名の選手でも、努力して日本代表に選ばれるまでの選手に育っています。これは他の選手にも本当に励みになると思うんです。

もうひとつ、帝京大学ではご飯の用意や掃除などの雑用を4年生が率先してすることになっています。

普通の体育会系では雑用は1年生がするのでしょうが、帝京大学ラグビー部では上級生ほど雑用が多くなるようなシステムになっています。

大学生活に慣れない1年生に負担をかけないように、上級生がフォローする。またその姿を下級生がみて、下の者に伝えていく、選手にとっては良い環境ですよね。

有名選手の入部

以前は高校では無名の選手を鍛えて強くなってきた帝京大学ですが、近年花園で活躍した選手が入ってくるようになってきました。

3年生のCTB権裕人、2年生のHO坂手淳史、1年生のSO松田力也、LO寺田桂太、SH/FB重一生など、花園でも活躍した高校日本代表クラスの選手たちが帝京大学に入学しています。

一昔前なら早稲田大学や明治大学、法政大学、同志社大学などに有名選手は進学する傾向にあったのですが、帝京大学に憧れて入ってくる選手が増えてくるとさらなるレベルアップが期待できます。

まとめ

帝京大学の強さは大学レベルではもはや成熟の域に達したと言ってもいいでしょう。

今年岩出監督が心配していたように、安心感が蔓延すると足元をすくわれる可能性もあります。

今年はスキを見せずに日本一を勝ち取りましたが、来季以降もマイナス要素があるとすればその一点でしょう。それぐらいいまの帝京大学の強さは際立っています。

対する早稲田大学は4年生が中心だったので、来季以降はさらに厳しそうですね。名門早稲田の復活は当分難しそうです。

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