以前フジテレビ系列の「とくダネ!」で放送されていましたが、最近病院を受診してお薬をもらおうとすると、処方箋を渡されて病院外の薬局でもらう機会が増えています。
以前は受診が終わり、薬局が院内にあってそちらに処方箋を出して、自分の番号が光るまでひたすらまつ、というのが普通でした。
院外薬局にするくメリットと院内に薬局を置くデメリットについて、とくダネ!とは少し違う視点でその理由を考えてみました。
メリットが多い院外処方
院外処方にはメリットが多いのです。ではどんなメリットがあるのでしょうか。
薬剤師がいらない
院外薬局にすると、病院として薬剤師を雇う必要がありません。最近ドラッグストアの乱立や、薬剤師の養成課程が6年制に移行したこともあり、薬剤師は引く手あまたで、かなり給料は高額になってきています。(6年制を卒業した薬剤師が増えて来ましたので最近はやや落ち着きつつある)
その薬剤師を何人も雇わなくても良い、それは大きなメリットといえるでしょう。
スペースがいらない
院内に薬局があると、薬を置いておく棚や調合するスペース、薬剤師が休憩するスペースがいります。また薬局の前には受け付けと同じく、待つための椅子がいりますので、そのスペースも必要となります。
院外薬局にすると、院内で薬局として使っていたスペースがいらなくなり、他に使えるようになります。
薬の在庫がいらない
薬には有効期限があります。短いものなら数ヶ月以内に使用しなくてはならない薬もあります。
医師は薬の有効使用期限を確認しながら薬を処方するわけではないので、めったに使わない薬は有効使用期限を過ぎて廃棄してしまうこともあります。この薬代は完全にロスです。
院外薬局になると薬局が薬の管理をしてくれますし、万が一有効使用期限を過ぎたとしても病院や医院側には損害はありません。
病院としての待ち時間減少
病院に行くのが嫌な理由のひとつに待ち時間があります。予約してあるのに受診で待ち、検査で待ち、結果を聞くのに待ち、そして会計で待ち、病院受診は待つことが前提となる一大イベントです。
院内に薬局があるとさらに薬で待つことになりますが、院内に薬局をなくすことで病院内に滞在する時間は確実に減ります。
もちろん患者さんにとっては院外薬局で待つことになるでしょうから、トータルの待ち時間が減るわけではありません。
薬を処方しても儲からない
意外かもしれませんが、薬はあまり儲かりません。業者さんから仕入れて、処方しても1錠で数十円しか利益が出ません。利益幅が小さいものなら、1錠で十数円しか利益がないものもあります。
逆に院外に薬を処方して、処方箋代で儲ける方がメリットが大きいのです。
大人の事情
院外薬局の社長と医院の院長はつながっていることが多いです。そりゃそうですよね。自分の薬局を儲けさせてくれている医院なのですから、御礼をしたくなるのも当然です。
野球の年間シートを購入して配ったり、食事会を開いて接待したり、金品をもらうことも珍しくありません。
確認が面倒
ひとつデメリットがあるとすれば、院外薬局の窓口で薬に関してトラブルがあった場合、処方箋を出した医師に確認をとる必要があるということです。
医師に確認をとるのはどこもそうなのですが、院内に薬局がある方がすぐに電話で確認はとりやすいです。
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まとめ
院外に処方箋を出すメリットとデメリットをみてきました。
まとめると、
- 薬剤師を雇わなくてもいい
- 薬局のスペースがいらない
- 薬の在庫を気にしなくてもいい
- 病院としての待ち時間の減少
- 薬を院内で処方しても収益はあまり上がらない
- 大人の事情
- 院外薬局の窓口でトラブルになったとき院内よりも確認がとりにくい
院内薬局がなぜ院外薬局に変わっていくのか、その理由を考えてみましたが、メリットの方が多いです。だから院外処方が増えるのでしょうね。
私たち患者の立場になると、待ち時間が減り、会計が安くなりさえすれば、どちらでもいいような気がしますが、院外薬局に移行する流れは今後も続きそうです。