高齢者の骨折の好発部位と予防方法は?ここだけには絶対注意しろ!

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高齢者の骨折には傾向があります。骨折がよく起こる部位を正しく理解して、予防する方法を考えてみましょう。


高齢者の骨折の好発部位と予防方法は?

高齢者は転倒すれば骨折しやすい、それはなんとなくイメージできると思います。

ただ転倒しても頭のてっぺんから足の先まで、どこでも骨折する可能性が高いかといえばそうではなく、折れやすい部位があるのは確かです。

それを理解するには、高齢者の四大骨折を理解する必要があります。

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高齢者の四大骨折とは?

高齢者の四大骨折とは、橈骨遠位端骨折上腕骨頚部骨折大腿骨頚部骨折脊椎圧迫骨折の4つです。

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

撓骨遠位端骨折

とうこつえんいたんこっせつ」と読みます。

橈骨は身体でいうと前腕(「ぜんわん」、肘から手首の間)の親指側にある骨です。その遠位端(遠い方の端)を骨折するということです。

解剖の図でみるとこの骨が橈骨です。

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この遠位端なので、このあたりを骨折します。

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橈骨遠位端骨折といえば、元大リーガーの松井秀喜さんがヤンキース時代、外野守備中に骨折したことで有名ですね。

この骨折はどんな転倒時に多いかというと、主には前方への転倒(側方や後方の場合もあり)で手を着いたときに骨折します。

ギプスで固定して骨癒合(「こつゆごう」、骨がくっつくこと)を待つこともありますが、ひどい場合には手術になります。

上腕骨頚部骨折

じょうわんこつけいぶこっせつ」と読みます。

上腕骨は身体でいうと肩と肘の間にある骨です。解剖の図でみると、これが上腕骨です。

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上腕骨の「頚部」の骨折ですので、肩に近いこのあたりが折れます。

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この骨折は主に側方への転倒時に、肩のあたりを強打して起こります。

派手に転倒したときにこの骨折になることが多く、骨折は重症である可能性が高く、手術適応になることが多いです。

大腿骨頚部骨折

だいたいこつけいぶこっせつ」と読みます。

大腿骨は太ももにある、人体で一番長い骨です。

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大腿骨の頚部ですから、このあたりの骨折ですね。

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この骨折も主に側方へ転倒して、大転子の横の出っ張り部分である大転子を強打することによって起こります。

大腿骨頚部骨折は、以前は関節包の外側か内側によって外側骨折と内側骨折と分けられていましたが、近年は外側骨折を転子部骨折、内側骨折を大腿骨頚部骨折と呼んでいます。どちらの骨折も程度によりますが、手術の適応になることが多いです。

大腿骨頚部骨折は、四大骨折の中でも寝たきりになりやすい骨折です。

脊椎圧迫骨折

せきついあっぱくこっせつ」と読みます。

脊椎とは簡単に言うと背骨のことです。背骨は首に7個(頚椎)、胸に12個(胸椎)、腰に5個(腰椎)、尾てい骨の部分に5個(仙椎)ありますが、その中でも腰椎や胸椎の下の方によく起こります。

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この骨折は「圧迫」によって起こるのですが、直接脊椎を強打して起こるわけではありません。

尻もちをつくように後方に転倒したときの衝撃で、脊椎が挟まれるように圧迫されて骨折します。

また脊椎圧迫骨折は受傷機転がなく(知らないうちに)骨折している場合もあります。

基本的にはコルセットを巻いて安静にして、骨癒合を待つ治療が進められます。ただし安静にしている時間が長いと、それによって廃用(弱ることが進む)場合が多く、可能であれば離床してリハビリを行っていきます。

以上が高齢者の骨折が好発する四大骨折の簡単な説明です。

では次に具体的な予防方法を考えてみましょう。

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高齢者の転倒による骨折を予防する

高齢者の転倒を完全に予防する方法、それはありません

身も蓋もない話ですが、どんな対策を講じても必ず転倒するリスクはあります。

ですから、「転倒による骨折の可能性をゼロにする」というよりも、「転倒による骨折の可能性をできる限り減らす」というのが正しい目標です。

骨折しにくい骨をつくる

高齢者は多かれ少なかれ骨粗鬆症を抱えていて、骨がもろくなっている方が多いです。

骨がもろいのですから転倒したときに折れやすいので、骨粗鬆症を改善すればいいという考えです。

骨粗鬆症を改善するために、現在はたくさんの薬がでていますが、残念ながら大きな効果があるとは言えません。

なぜなら、転倒して大きな衝撃が加われば、少し改善された骨でも結局骨折してしまうからです。

骨折しにくい身体をつくる

そういう意味では転倒しない身体を作るのが一番です。

転倒しないためには、いくもの要因があります。たとえば分かりやすいものであれば筋力やバランス能力があります。

ただし筋力1つをとっても、脚にも必要ですし、体幹と言われる胴回りの筋力も必要です。このあたりは理学療法士などの専門職に診てもらう方がいいでしょう。

自分が転倒しやすいかどうかを見極めるためには、「Timed Up & Go Test(TUG Test)や の片脚立位テストをすればいいでしょう。

TUG Test

TUG Testとは椅子に座った状態から、立ち上がって3m先のコーンを周って帰ってきて、座るまでの時間を測ります。

TUG Testには日常生活に必要な、座る、立ち上がる、歩く、方向転換をするなどの動作が含まれていて、転倒リスクとの相関があると言われています。

詳しいテスト方法はこちらを参照してください。

参照) 宮城県ホームページ「Timed Up & Go Testの測定について

TUG Testで14秒を超えてくると、転倒のリスクが高いと言えます

片脚立位テスト

片脚で立ち、何秒ほじできるかをみます。5秒保持できないと、転倒しやすいと言えるでしょう

骨折しにくいように身体を守る

簡単にいうとサポーターを着けるということです。

こちらはグンゼから発売されているヒッププロテクターという商品です。大腿骨の大転子を守ってくれるサポーターです。

大転子をガードするという意味では一定の効果はありますが、脱ぎ着が面倒なためトイレが近い傾向にある高齢者には向きません。

あと残念ながら橈骨や上腕骨、脊椎を守るサポーターはありません。

まとめ

高齢者の骨折の好発部位と予防方法についてまとめてみました。

要介護状態になった原因の1割が転倒と言われています。ですから高齢者の転倒を防ぐことはとても重要といえます。

月並な結論ですが、転倒しない身体をいかに維持できるか、それが一番大事になるでしょう。


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