もしかして、その腹痛は盲腸かも?!
今回は盲腸の痛みかどうか誰でも簡単に理解するために、盲腸の痛みの位置を図や画像を用いて詳しく説明します。
「盲腸って何?」という人から、盲腸の痛みに原因について知りたい人まで、盲腸の痛みについて分かりやすく解説します。
盲腸の痛みか簡易的に判別するのに役立ちますのでぜひお読みください。
盲腸ってどんな臓器?虫垂との違いは?
まず盲腸って何か知っていますか?
よく「盲腸の手術をしたんです」と話す人がいますが、これは正しい表現ではありません。
盲腸は小腸に続く大腸の始まりの部分です。この盲腸から小指ほどの虫垂(ちゅうすい)が突出しています。
言葉で書いても分かりにくいので、解剖の図で説明しましょう。
まずこちらがお腹の前面の皮膚や筋肉、骨を外した図です。
ここから胃や腸をピックアップしてみましょう。
上の丸いものが胃、真ん中のぐるぐる巻いているものが小腸、左側に縦に見えるのが大腸です。
大腸だけピックアップしてみます。
向かって左下、小腸からつながる部分が盲腸で、その先に付いているニョロっとしたものが虫垂です。
実は私が一般的に「盲腸」と呼んでいる疾患は、盲腸で何か起こるわけではなく虫垂で炎症が起こるのです。
正式な診断名は「急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)」になります。
しかも手術で切っているのは盲腸ではなく虫垂です。
ですから、正しくは「盲腸の手術をした」ではなく、「虫垂の手術をした」ということにあります。
盲腸と虫垂は違うことだけを覚えて欲しいのですが、こちらの記事ではみなさまに分かりやすいように盲腸と表現します。
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盲腸の場所を画像で見ると?
盲腸を画像で確認するとどのように写るのでしょうか。
腹部のレントゲン写真を見てみましょう。
(C) Monthian Ritchan-ad-123RF写真素材
向かって左下、盲腸の先っぽに虫垂が見えますね。
先ほどイラストで確認しているので分かりやすいのではないでしょうか。
これらを見ると、盲腸の痛みが左ではなく右下腹部に出ることがよく分かるでしょう。
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盲腸の初期症状は?
急性虫垂炎こと、いわゆる盲腸はどのような症状がでるのでしょうか。
まずほとんどの症例で、盲腸の部分が痛くなる・・、わけではありません。
盲腸ではなんと初期に痛みがでるのはみぞおち(心窩部)付近です。
なんとなくみぞおち付近が痛いと思っていたら、知らないうちにそれが腹部に移っていきます。
それに合わせて、発熱や吐き気、おう吐などを伴います。
血液検査では白血球が増えています。
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盲腸の痛みの場所は?
先ほど初期症状ではみぞおちに痛みがあり、その後腹部に移っていくとお伝えしたのですが、腹部では特徴的な部分に痛みがでます。
それがマックバーネーの圧痛点と呼ばれる場所です。(※マックバーニーの圧痛点ともいわれる)
場所を確認しておきましょう。
(C) Sebastian Kaulitzki-123RF写真素材
へそ(臍)と腰骨の一部である上前腸骨棘をまず結ぶ直線を書きます。
その直線を3等分して、外1/3付近がマックバーネーの圧痛点です。
盲腸が疑われる腹痛で病院を受診すると、必ずこの部分をお医者さんが押さえます。
ここを押さえていたら、「あっ!盲腸を疑ってるんだな」と思ってください。
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盲腸に似た疾患は?
盲腸にはいくつか似ている疾患があります。その代表的なものが大腸憩室炎です。
盲腸では触診や血液検査以外にも超音波検査(エコー検査)をするので、虫垂が肥大していることが確認できれば診断できます。
しかし大腸憩室炎が盲腸付近にあった場合には判別が難しいこともあるようです。
それ以外にも、ウィルス性腸炎、非炎症性腹部疾患、尿管結石、また女性の場合は卵管炎や卵巣のう腫などの疾患とも判別が必要です。
盲腸の場合は、治療開始までに時間がかかると、命に関わることもあります。
上記のような症状がある場合には、早めに病院を受診し、医師の診断を仰ぐようにしましょう。