クリフム夫律子マタニティクリニックでの胎児ドックを受ける前にはどのようなことに注意し、夫婦で話し合うべきなのでしょうか。今回実際に胎児ドックを受診して感じたことをお伝えします。
他の口コミや評判では分からないもっと深い感想を知りたい人は必見です。
近年出生前診断として胎児ドックを受ける夫婦が増えています。全国で胎児ドックは行われていますが、その中でも超がつくほど人気なのは大阪の上本町にあるクリフム夫律子マタニティクリニックです。日本で初めての胎児診断専門施設だそうです。
こちらのクリニックはNHKスペシャルをはじめ、たくさんのメディアでも取り上げられているので、何となく名前を聞いたことがある人もいらっしゃると思います。
実は今回子供を妊娠する前に私もテレビで取り上げられていたのを観て、
「へぇ、出生前診断をみんな受けるんだ」
と他人事のように思っていたのですが、そのときは将来自分たち夫婦が受けることになるとは思いませんでした。
以下私たち夫婦が実際に胎児ドックを受ける前に調べたことや話し合ったこと、そして実際に胎児ドックを受けて感じたことをお伝えしますが、詳しいことはクリニックのホームページに書かれています。
クリニックのことや胎児ドックのことを詳しく知りたい人(夫先生の想いやクリニックの概要を知りたい人)はクリフム夫律子マタニティクリニックのホームページをご覧ください。
あと胎児ドックを受けることへの賛否はご自身が決めることだと思いますので、そのあたりには触れません。ただ私たち夫婦は胎児ドックを受けて良かったと思っていますし、クリニックの想いに共感しています。
おそらく次の子供ができても、もう一度お世話になります。先生はもちろん受付や看護師さんの対応も良くて、とにかく素晴らしいクリニックでした。
高齢出産で不安がある人や胎児ドックを受けようか迷っている人に、実際に受けてみた感想をすべてお伝えしたいと思い、今回ブログに書くことにしました。
そのあたりを踏まえて、以下は読みたい人だけ読み進めてください。
クリフム胎児ドックとは?
2007年11月に産婦人科医の夫律子先生が開設された胎児専門ドックで、最新の画像診断や検査を元に、胎児の状態を診ていきます。
初期・中期・後期があるのですが、一般的にいわれる出生前診断は初期胎児ドックのことで、中期・後期は初期胎児ドックを受けられて、引き続き産科よりも詳しい赤ちゃんの状態が知りたい人が受けられるドックとなっています。
注意点としてはクリフムでは初期胎児ドックを受けずに、中期や後期の胎児ドックは受けられません。
初期胎児ドックは11~13週で受けられるのですが、後ほど述べる絨毛検査との兼ね合いもあり12週か13週で受けるのがベターだと感じました。
初期胎児ドックではエコーを使って胎児の状態を様々な角度からチェックしていきます。
- 鼻骨形成
- 首のむくみ
- 静脈管血流のPI値
- 心拍数
- 三尖弁の逆流の有無
- 手足の形態異常がないか
などです。
ちなみにここで使われているエコーがめちゃくちゃいいやつです。どれくらいいいのかは正直分かりませんが、他の病院やクリニックで見るよりも明らかに良さそうなだと感じました。
診察室には夫も同伴します。エコーは診察台の前にあるテレビに映されるので、夫婦ともに大画面で見ながら検査を受けることができます。
ただし専門用語が飛び交っているので、何を診ているのか、また測定しているかは詳しく分かりません。
スポンサードリンク
クリフムの院長ってどんな人?
医師として経歴などはホームページをご覧ください。
初期胎児ドックのエコーのときにお話しした感想は大変失礼ですが「大阪のおばちゃん」って感じでした。私は大阪生まれなのでとても気さくで話しやすくて、安心して検査を受けることができました。
ホームページやブログではDr.ぷぅと名乗られていて「どんな人?」ってすごく不安だったんですけど、全くそんな心配はいらなかったですね。
スポンサードリンク
クリフムの初期胎児ドックの結果は?
初期胎児ドックの結果は検査後すぐに(といっても混み具合によりますが)別室で伝えられます。
その場で伝えられるのはエコーで分かった赤ちゃんの状態と、13トリソミー(パトー症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・21トリソミー(ダウン症候群)の可能性です。
高齢出産の場合にはベースとして(年齢分だけ)、染色体異常の子供が産まれる可能性が高くなっています。たとえばダウン症候群の場合、25歳での出産なら約1/1000なのに対し、35歳であれば約1/250と、10歳増えるとリスクが4倍になります。
それに加えて、先ほどエコー検査で見られた初見で正常値から逸脱していた場合、たとえば「首にむくみがある」「鼻骨が短い」があると、さらにリスクが高まります。このあたりは診断のことなので分かりませんが、チェックを入れてエンターを押すと自動的に計算されていました。
私たち夫婦の場合、ここでふたつの項目で引っかかってしまい、21トリソミーが「1/254→1/4」だという結果を知らされました。
いやいや、これにはびっくりしました。言葉がでないってこのことですね。
たった2つチェックが入っただけで254分の1が4分の1になっちゃうんですよ。「100分の1になった」言われたら「そうかぁ」で済んだと思うのですが、夫婦ともに一気に不安になりました。
その他13トリソミーに関しては1/1966が1/250、18トリソミーに関しては1/627が1/26となりました。
難しいのはこれはあくまで可能性の問題で確定ではないんですよね。それを確定するためには、詳しい染色体や遺伝子の検査をする必要があります。その検査とは絨毛検査か羊水検査になります。
スポンサードリンク
クリフムの絨毛検査とは?羊水検査との違いは?
絨毛検査とは子宮内膜の絨毛に針を刺して絨毛を採取して検査します。一方、羊水検査は子宮内の羊水を採取して検査します。
画像引用) クリフム夫律子マタニティクリニック「クリフムの絨毛検査」
細かい違いはいくつかありますが、説明されて理解できたことは4つあって
- 絨毛検査でも羊水検査でも診断できることは一緒。
- 検査する時期が違う。(絨毛検査は11~14週、羊水検査は16~18週)
- どちらも流産のリスクがわずかだがある。
- 羊水検査では針が赤ちゃんの近くまでいくが、絨毛検査ではそこまではいかない。
です。
ほとんど人は12週くらいで初期胎児ドックを受けらると思うので、絨毛検査なら空いていればその日の午後から受けることができます。
費用のことや予定のこともありますし、夫婦の想いとして検査を受けるかどうか決められない人もいらっしゃるでしょう。その場合は検査するなら後日となり、16週以降になると羊水検査になるでしょう。(すぐに決めて翌週の予約がとれれば絨毛検査も可能ですが、予約が埋まっているので難しそう)
私たち夫婦はずっともやもやするのが嫌なので、その日に絨毛検査を受けることにしました。
スポンサードリンク
クリフムの絨毛検査の結果は?
絨毛検査の結果は、翌日にQF-PCR検査結果報告書として13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの分だけは聞くことができます。
診断結果を聞くときには翌日の予約をとり、別室でダンディーな小児科医で遺伝子の専門の先生から伝えられます。(こちらの先生も本当に優しくて安心できます)
幸い私たち夫婦の子供は3つの染色体異常は見つかりませんでした。ダウン症候群も1/4という初期胎児ドックの結果でしたが、問題ありませんでした。
ただし染色体異常は13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーだけではありません。そのとき小児科医にお聞きしたところ、13トリソミーと18トリソミー、21トリソミーが多い(染色体異常の約70%)そうですが、その他の染色体異常の可能性も残されているようです。
それらの詳しい検査結果は3週間後以降に予約をとって、別室で同じ小児科医の先生から染色体G分染法検査結果報告書をいただくことになります。
この検査も染色体を500パーツくらいに分けて、ひとつずつ顕微鏡で見て診断するとおっしゃっていました。
後日検査結果を聞きにいきましたが、こちらも異常がなくほっとしました。
スポンサードリンク
クリフムの胎児のドックの予約は?
クリニックで電話して初期胎児ドックの予約をとります。先ほどもお伝えしたように、初期胎児ドックを受けずに、いきなり絨毛検査や羊水検査、中期・後期ドックを受けることはできません。
予約はすごく混み合っています。(特に土日祝)しかも先生が学会に出張していることもあります。
初期胎児ドックは11~13週と限られた期間に受ける必要がありますので、日にちが合わないので結構難しいです。
予約をとるときいは予定日を聞かれますが、うちは予定日が分かり次第予約しました。
クリフムでの胎児ドックや結果を聞きに行くときには、絶対旦那さん同伴でないといけません。旦那さんの仕事の都合もありますので、受診するなら予定は早めに決めることをおすすめします。
スポンサードリンク
クリフム胎児のドックの料金は?
クリフムでの胎児ドックでは健康保険が使えません。つまり自費です。
胎児ドックの初期だけであれば約4万円、私たち夫婦のように初期胎児ドックで異常が疑われて絨毛検査までその日のうちに受けた場合には、さらに絨毛検査代の約20万円が必要です。
ちなみに初期胎児ドックと絨毛検査を受けた日は、初診代なども含めて25万円以上かかりました。
財布に25万円入っている人はほとんどいませんが、支払いは各種クレジットカードも使えますので、現金がなければクレジットカードで支払えばいいでしょう。
スポンサードリンク
クリフムのアクセスは?
電車で行く場合には、最寄りは近鉄の大阪上本町駅で改札を出て徒歩5分くらいです。地下鉄の場合には谷町線の谷町九丁目駅から徒歩10分くらいです。
京都や神戸から来て大阪駅を経由する人は、JR大阪駅(阪神・阪急梅田駅)から地下鉄谷町線の東梅田駅に乗り換えて谷町九丁目駅から歩くといいでしょう。
クリニックが入っているビルは普通のビルなので分かりにくいです。
前まで行くとやっと分かります。(屋上にも大きな看板があるけど分かりにくい)
正直雑居ビルのようですが、エレベーターで上がるときれいな入り口がでてきます。
ちなみにクリニックの駐車場はありませんので、車で行く場合には近隣のコインパーキングを利用する必要があります。コインパーキング自体はたくさんあり、1日1500円くらいが相場でしょうか。(おそらく1日仕事になるので)
スポンサードリンク
クリフムは医療費控除を受けられる?
クリフム夫律子マタニティクリニックの料金は、絨毛検査や羊水検査をするとかなり高額になるのですが、医療費控除を受けることはできるのでしょうか。
この点を確定申告をお願いしている税理士さんにメールで聞いたら、医療費控除の対象とならないようです。その理由は疾病の治療ではないからだそうです。
クリフム胎児ドックを受ける前に注意すべきことは?
長々と書いてきましたが、最後にここだけはしっかりお読みください。
土日祝の受診は待つ覚悟が必要
私たちは平日に受診したのですが、朝10時すぎの初期胎児ドックの予約で、絨毛検査まで終わったのが16時を過ぎていました。
看護師さんにお聞きしたところ「今日はかなり空いていますね」とおっしゃっていました。土曜日、日曜日、祝日も診察はされていますが、予約が殺到してえげつない待ち時間になるそうです。
遠方から行かれる人や旦那さんの仕事の都合上、どうしても土日祝しか選べない人もいると思いますが、その場合かなり待つ覚悟をして行きましょう。必ず小説やゲームなど時間をつぶせるものは持っていきましょうね。
これから予約されるなら平日がいいと思います。(それでも混んでいますが・・)
ちなみに翌日や後日、検査結果だけを聞きに行く場合には、それほど待たなくてもいいので心配はいりません。
クリフム胎児ドックを受ける年齢は?
これは何歳でもいいようです。20歳なら染色体異常がでる可能性は低いですが、夫婦が望めば何歳でも胎児ドックは受けられます。
待ち合いにいる夫婦を見ていると、35~40代前半が多かったような気がします。やっぱり心配な年齢の夫婦が受けに来られているようですね。
クリフムは夫同伴
クリフムで受診されるときには、検査日も結果を聞きに行く日も夫同伴で行かなくてはなりません。一人で受診することができませんので注意が必要です。
クリフムは子供連れでも大丈夫
小さいお子様をお連れの夫婦もいると思いますが、クリフムには小さいお子様を連れていくのはおすすめしません。
その理由は待ち時間が長く可能性があるから。大人でもかなり苦痛なので、小さい子供にはもっと苦痛だと思います。可能ならご両親にその日は預けるようにしましょう。
待ち合い室はこんな感じ。
写真の右側にテレビが壁にかけてあります。本や新聞もあります。
クリニックとして小さい子どもを連れてきてはいけないということではなく、小さい赤ちゃんを連れていている夫婦もいました。
クリフムには待ち時間を過ごすラウンジもありますので、小さい子どもを連れて行く際にはそちらで過ごす方がいいかもしれませね。
クリフムで性別は教えてくれるの?
クリフムでの絨毛検査や羊水検査を受けると、産科で一般的なエコーを受けるよりも早くに性別が分かります。しかも染色体検査をするわけですから、確実な性別です。
そうなると「産科よりも早くに性別が教えてもらえる!」と少し期待していたのですが、クリフムでも20週を過ぎる前に性別を教えてもらえません。その理由を先生に尋ねると、性別によって中絶を考える夫婦がいるからだそうです。(例:男の子が欲しいと思ったいたけど、女の子だった)
絨毛検査の染色体のところも検査結果が出ていても、Y染色体のところは空欄にされています。
まあそういうルールだったら仕方ないですね。
染色体異常がなければ絶対健康が子供が産まれるのか?
絨毛検査や羊水検査を受けると、染色体異常があるかどうかははっきり分かるのですが、「染色体異常がないことと=健康な赤ちゃん」とはならないようです。
あくまで染色体に起因する疾患がないということで、それ以外の病気の発現の可能性が0%になるわけではありません。
ですから、もし染色体異常以外の病気が心配であれば、中期ドック、後期ドックを受けて、産まれる前に不安を解消すればいいでしょう。
もしもの場合、結果をどう受け止めるか
これを読んで欲しいために、ここまで書いてきた感じです。
クリフムの胎児ドックを受けると、赤ちゃんの染色体に異常がない場合と、赤ちゃんに染色体異常が見つかる場合があります。異常が見つかったときには中絶を選択する夫婦も実際にいらっしゃるようです。
胎児ドックを受けるということは、その可能性や心配と向き合うということだと思います。
私たち夫婦がクリフム夫律子マタニティクリニックで胎児ドックを受けようと思ったのは、院長の想いに胸を打たれたからです。
出生前診断は、 診断することが目的ではなく、診断したときがスタートです。診断したことで赤ちゃんの命が左右される、ママやパパ、きょうだいたちの一生をも左右する。
(中略)
人生は1回だけです。後悔しない人生をママとパパに送ってほしい、胎児たちがいろいろなことを背負ってママとパパのところにやってきたことの意味を ママとパパと一緒に考えていきたい。
もし診断で自分が望まない結果が出たとして、このクリニックになら相談できるのかなと思いました。
私たち夫婦はクリフムでの胎児ドックを受ける前に、胎児に異常が見つかった場合にはどうするか予め話し合ったのですが、結論はでませんでした。
でも結局は先生や看護師さんと話した後に、夫婦でじっくり話し合えばいいのかなと受診した後には思えました。そう思える環境がここにはありました。
以上、クリフムの胎児ドックを受けようか迷っている夫婦の参考になれば幸いです。