高校野球の歴史において、選抜大会にも選手権大会にも出場したことがない高校が、初出場で初優勝を達成したことはあるのでしょうか。
高校野球を見ていると、よくこんなフレーズをよく聞きます。
「◯◯高校が史上△校目の初出場・初優勝を成し遂げました!」
初めて出場した大会で、初優勝したということなのですが、このフレーズを正しく言い換えると、
「◯◯高校が史上△校目の選手権大会、初出場・初優勝を成し遂げました!」
となります。
「どこが違うの?」と、首をかしげたくなりますが、問題はその大会に初出場なのかどうかということです。
わかりやすく極端な例を挙げると、春の選抜大会には50回出場していて、名門と言われる高校でも、夏の選手権大会は初出場という可能性もあります。
先ほどのフレーズが意味しているのはあくまでも、「その大会に初めて出場した」ということであって、選抜大会、選手権大会のどちらかとは記載されていません。
もし50回春の甲子園に出場しているチームであれば、夏が初出場だからといっても監督も選手も浮足立つことなく、名門校の実力を発揮できるかもしれません。
そう考えていると、ひとつの疑問が湧いてきました。
「春夏を通じて初めて出場した甲子園の大会で、初優勝した高校はあるのか」
目次
春夏を通じて初出場で初優勝した高校
調べてみるとけっこうたくさんありました。
選抜大会
※この表は左右にスクロールできます。
大会 | 年 | 高校 | 都道府県 | スコア | 高校 | 都道府県 |
第11回 | 昭和9年 | 東邦商 | 愛知 | 2対1 | 浪華商 | 大阪 |
第22回 | 昭和25年 | 韮山 | 静岡 | 4対1 | 高知商 | 高知 |
第25回 | 昭和28年 | 洲本 | 兵庫 | 4対0 | 浪華商 | 大阪 |
第36回 | 昭和39年 | 徳島海南 | 徳島 | 3対2 | 尾道商 | 広島 |
第40回 | 昭和43年 | 大宮工 | 埼玉 | 3対2 | 尾道商 | 広島 |
第44回 | 昭和47年 | 日大桜丘 | 東京 | 5対0 | 日大三 | 東京 |
第56回 | 昭和59年 | 岩倉 | 東京 | 1対0 | PL学園 | 大阪 |
第57回 | 昭和60年 | 伊野商 | 高知 | 4対0 | 帝京 | 東京 |
第67回 | 平成7年 | 観音寺中央 | 香川 | 4対0 | 銚子商 | 千葉 |
第76回 | 平成16年 | 済美 | 愛媛 | 6対5 | 愛工大名電 | 愛知 |
選手権大会
※この表は左右にスクロールできます。
大会 | 年 | 高校 | 都道府県 | スコア | 高校 | 都道府県 |
第31回 | 昭和24年 | 湘南商 | 神奈川 | 5対3 | 岐阜 | 岐阜 |
第47回 | 昭和40年 | 三池工 | 福岡 | 2対0 | 銚子商 | 千葉 |
第53回 | 昭和46年 | 桐蔭学園 | 神奈川 | 1対0 | 磐城 | 福島 |
2017年秋現在では、選抜大会においては10校、選手権大会においては3校、合計13校が春夏通じて初めての甲子園で優勝を飾っています。
みなさんは、何校ご存知でしたか。