高校野球の歴史の中で球速150km/hを記録した歴代の投手を調べてみました。
春の選抜、夏の選手権には、これまでも怪物と騒がれた速球投手がたくさん出場してきましたが、球速150km/hを超えた投手はたくさんいません。
20年ぐらい前まで、速球投手であるかどうかの基準は「140km/h以上の球を投げれるかどうか」でした。
横浜DeNAベイスターズや読売ジャイアンツで活躍した金城龍彦さんが、近大附属高校2年のときに投手として夏の甲子園に出場しました。
このときのふれこみが「140キロを投げるピッチャー」でした。いまでいう150キロだと理解すればいいでしょう。
金城さんが出場したのは、20年ちょっと前ですから、この20年で高校野球の投手の球速は10キロ速くなったということですかね。
ちなみに金城さんが制した大阪大会からは後にプロ選手選手となる選手が数多く出場しています。
PL学園3年には松井稼頭央、北陽(現・関大北陽)2年にはオリックスで二刀流として話題を集めた嘉勢敏弘、東海大仰星3年にはまだ無名の上原浩治と建山義紀など、豪華なメンバーが出場していました。
ではこれまで甲子園で150キロを記録したのはどんな顔ぶれなのでしょうか。
高校野球の甲子園大会で150キロ以上を記録した投手
※この表は左右にスクロールできます。
年度 | 大会 | 球速 | 選手 | 高校 | 対戦相手 |
1998 | 選手権 | 151 | 新垣渚 | 沖縄・沖縄水産 | 1回戦 埼玉栄戦 |
1998 | 選手権 | 151 | 松坂大輔 | 神奈川・横浜 | 2回戦 鹿児島実業戦 |
2001 | 選手権 | 158 | 寺原隼人 | 宮崎・日南学園 | 2回戦 玉野光南戦 |
2005 | 選抜 | 151 | 山口俊 | 大分・柳ヶ浦 | 1回戦 天理戦 |
2005 | 選手権 | 156 | 辻内崇伸 | 大阪・大阪桐蔭 | 1回戦 春日部共栄戦 |
2005 | 選手権 | 150 | 田中将大 | 南北海道・駒大苫小牧 | 決勝 京都外大西戦 |
2006 | 選手権 | 151 | 大嶺祐太 | 沖縄・八重山商工 | 3回戦 智弁和歌山戦 |
2007 | 選手権 | 156 | 佐藤由規 | 宮城・仙台育英 | 2回戦 智弁学園戦 |
2007 | 選手権 | 150 | 岩崎翔 | 千葉・市船橋 | 1回戦 文星芸大付戦 |
2008 | 選抜 | 153 | 平生拓也 | 三重・宇治山田商 | 1回戦 安房戦 |
2009 | 選手権 | 155 | 菊池雄星 | 岩手・花巻東 | 2回戦 東北戦 |
2009 | 選手権 | 154 | 今宮健太 | 大分・明豊 | 準々決勝 花巻東戦 |
2010 | 選抜 | 153 | 西浦健太 | 奈良・天理 | 1回戦 敦賀気比戦 |
2011 | 選手権 | 153 | 北方悠誠 | 佐賀・唐津商 | 2回戦 作新学院戦 |
2011 | 選手権 | 153 | 釜田佳直 | 石川・金沢 | 3回戦 習志野戦 |
2011 | 選手権 | 150 | 大谷翔平 | 岩手・花巻東 | 1回戦 帝京戦 |
2012 | 選抜 | 153 | 藤浪晋太郎 | 大阪・大阪桐蔭 | 準々決勝 浦和学院戦 |
2013 | 選手権 | 155 | 安楽智大 | 愛媛・済美 | 2回戦 三重戦 |
2015 | 選抜 | 155 | 高橋純平 | 岐阜・県岐阜商 | 1回戦 松商学園戦 |
2015 | 選手権 | 151 | 小笠原慎之介 | 神奈川・東海大相模 | 2回戦 聖光学院戦 |
2016 | 選手権 | 152 | 高田萌生 | 岡山・創志学園 | 2回戦 盛岡大付戦 |
2016 | 選手権 | 152 | 今井達也 | 栃木・作新学院 | 3回戦 花咲徳栄戦 |
2017 | 選手権 | 150 | 清水達也 | 埼玉・花咲徳栄 | 3回戦 前橋育英戦 |
2018 | 選手権 | 151 | 柿木蓮 | 大阪・大阪桐蔭 | 2回戦 沖学園戦 |
2018 | 選手権 | 150 | 井上広輝 | 西東京・日大三 | 2回戦 奈良大付戦 |
2018 | 選手権 | 150 | 吉田輝星 | 秋田・金足農 | 3回戦 横浜戦 |
2019 | 選手権 | 154 | 奥川恭伸 | 石川・星稜 | 2回戦 立命館宇治戦 |
2019 | 選手権 | 151 | 中森俊介 | 兵庫・明石商業 | 準々決勝 八戸学院光星戦 |
これを見ると甲子園で高校生が初めて150キロを投げたのが1998年の選手権ということになります。
それ以後、たくさんの選手が記録していますが、ほとんど選手がプロ野球の世界へと羽ばたいています。
そう考えると、高校生で150キロを投げるということは、飛び抜けた存在だということでしょう。
また赤字で示したのが左投手ですが、右投手に比べると少ないことが分かります。
高校生の150キロ左腕はかなりすごいってことですね。
これからも150キロを投げる投手が現れたときには要チェックですよ。