プロ野球にはたくさんの記録がありますが、今回は最年長勝利記録について詳しくお伝えしていきます。
プロ野球の投手といえば、20代中盤から後半にかけて選手としてのピークを迎えることが多いです。
たとえば大リーグで活躍しているレンジャーズのダルビッシュ有投手は、北海道日本ハムでの7年目(25歳)のシーズンに18勝、防御率1.44、奪三振276と3項目で自己ベストを記録しました。
またヤンキースの田中将大投手は、同じく高卒7年目(25歳)のシーズンに、24勝0敗、防御率1.27という驚異的な数字を残しました。
お二人のその後の活躍はいうまでもないでしょう。
その一方で、40歳になっても活躍する投手がいます。
投手の最年長勝利記録は一体何歳なのでしょうか。
最年長勝利記録
ではベスト5をご紹介します。
5位 小宮山悟(ロッテ)43歳6ヶ月
第5位には千葉ロッテマリーンズを中心に、大リーグのメッツなどでも活躍した小宮山悟さんです。
小宮山さんは豪速球が投げられたわけではありませんが、「投げる精密機械」の異名を持つようにコントロールは素晴らしいものでした。
また現役時代の2006年から、選手生活と並行して早稲田大学大学院にて投球フォームについての研究を行っています。
4位 斎藤隆(楽天)44歳5ヶ月
第4位には東北楽天ゴールデンイーグルスの斎藤隆投手がランクインしました。
斉藤投手といえば、横浜ベイスターズ時代には150kmを超えるストレートを武器に、打者をねじ伏せる投球が印象的でした。
大リーグ移籍後のドジャース時代にもストレートを武器に活躍しましたが、40歳を前にしてコントロールや変化球に磨きがかかり、ストレートと変化球のコンビネーションで抑える味のある投球術が武器となりました。
3位 工藤公康(横浜)46歳1ヶ月
第3位には工藤公康さんが入りました。
工藤さんと言えば、西武ライオンズ、ダイエーホークス(現・ソフトバンクホークス)、読売ジャイアンツなどで活躍しましたが、どこの球団でも若手の手本となるように練習をしていたことが印象的です。
たとえば基礎的な練習にもしっかり意義を見出し、納得するまでとことんやりぬくまさに求道者的なプロ野球選手でした。
2位 浜崎真二(阪急)48歳4ヶ月
第2位には、浜崎真二さんがランクイン。
浜崎さんといえば戦前に活躍した野球選手のお一人で、公式記録ではありませんが日本プロ野球史上一番身長の低かった選手としても有名です。
戦後プロ野球が復活っしたとき、選手兼総監督として出場を果たしています。
1位 山本昌(中日)49歳0ヶ月
第1位はもちろん山本昌投手。
入団当初はあまり期待されていない存在でしたが、若手交換留学生としてドジャースのキャンプに参加したときに転機が訪れます。
ここで山本昌の代名詞ともなるスクリューボールを教わり、その後の快進撃へとつながります。
山本昌投手の特徴は、40歳を超えてから40勝以上していることです。これは他の追随を許していません。
また高卒して入団して以来、同一球団に在籍し続ける選手としての記録も更新しています。
浜崎真二さんの現役時代はわかりませんが、山本昌投手、工藤さん、斎藤隆さん、小宮山さんという4人に共通するのは、野球に対して真摯に向き合い、非常に練習熱心であることですね。
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なぜ40歳を超えて活躍できる選手が増えたのか?
最年長勝利のベスト5を見ると、2位の浜崎真二さん以外は最近の記録です。
これには2つの理由があると思います。
トレーニングやコンディションの進化
以前は登板後にお風呂に入って温めることが良いとされていた時代もありましたが、いまは投げた後に肩と肘を冷やすことが常識となっています。
この30年でトレーニングの知識や技術は飛躍的に向上しました。
また医療技術やサプルメントなどの栄養のサポートも充実しており、しっかりと野球と向き合う環境が整っています。
投手の役割分担の確立
以前は先発完投が当たり前だったプロ野球ですが、近年は先発・中継ぎ・抑えの分業制が確立しました。
先発は先発、中継ぎは中継ぎ、抑えは抑えで、自分に合った準備をすれば良いわけです。
また先発投手は日本では6人の投手を用意して、中6日で投げることがほとんどで、昔のように連投することはありません。
このように役割がはっきりしたことは、投手生命が伸びる一助となっています。
ちなみに世界記録は2012年にジェイミー・モイヤー(マリナーズ)が記録した49歳5ヶ月です。
山本昌投手がこの記録を打ち破るためには、50歳を迎える来シーズンまで現役でいることが条件になっていましたが、記録を破れずに引退されました。